微分の定義・公式・解説

 微分とは、数学の分野の一つであり、関数の微小変化を表現するために用いられる操作のことです。具体的には、ある点での関数の傾きを表す数値である「微分係数」を求めることによって、関数がその点でどのように変化しているかを表現することができます。

 微分は、数学の基礎的な概念であり、微積分学の中心的なテーマでもあります。また、物理学や工学、経済学などの応用分野でも広く使用されます。

 微分の基本的な理論は、関数の微小変化を表現するために、その変化量を0に近づけるような極限を用いることです。この操作によって、関数の傾きを表す微分係数を求めることができます。

 微分には、線形性や積の微分法、合成関数の微分法などの公式があります。これらの公式を用いることによって、複雑な関数の微分を簡単に求めることができます。

 微分の応用的な理論としては、関数の最大値や最小値、変曲点、凸性や凹性などを求める方法や、微分方程式を解く方法などがあります。これらの応用は、自然科学や社会科学の多くの分野で重要な役割を果たします。

微分は、数学の基礎的な概念であり、多くの分野で重要な役割を果たしているため、理解しておくことが大切です。

関数の極限

 微分係数と導関数を理解するためには、まず関数の極限について理解する必要があります。関数f(x)がx=aにおいて極限Lを持つとき、xがaに近づくとき、f(x)がLに近づくことを意味します。数学的には、以下の式で表します。

lim (x→a) f(x) = L

微分係数

 関数f(x)がx=aにおいて微分可能であるとは、x=aでの微小な変化量Δxに対し、Δxが0に近づく極限を考えたとき、関数f(x)が極限Lを持つことを意味します。この極限を求めた値を、x=aにおける関数f(x)の微分係数f'(a)といいます。

f'(a) = lim (Δx→0) [f(a + Δx) – f(a)] / Δx

この式は、関数f(x)のx=aにおける接線の傾きを求める式として解釈できます。

導関数

 関数f(x)が微分可能であるとき、その微分係数f'(x)を導関数といいます。導関数は、関数f(x)の各点における傾きを表す関数となります。 導関数を求めるためには、微分係数の式をf(x)の各点で適用して、xに関する式を得ることができます。具体的には、以下のように導関数を表すことができます。

f'(x) = lim (Δx→0) [f(x + Δx) – f(x)] / Δx

導関数には、以下のような性質があります。

・f(x)が単調増加のとき、f'(x)は正の値を持ちます。

・f(x)が単調減少のとき、f'(x)は負の値を持ちます。

・f(x)が極値を取るとき、f'(x)は0の値を持ちます。

・f(x)が凸関数のとき、f'(x)は単調増加の値を持ちます。

・f(x)が凹関数のとき、f'(x)は単調減少の値を持ちます。

例題

例題1: 関数f(x) = x^2 – 2x + 1について、x=2における微分係数を求めてください。

解答1: 微分係数の式を適用すると、以下のようになります。

f'(2) = lim (Δx→0) [f(2 + Δx) – f(2)] / Δx

= lim (Δx→0) [(2 + Δx)^2 – 2(2 + Δx) + 1 – (2^2 – 2(2) + 1)] / Δx

= lim (Δx→0) [Δx(2 + Δx)] / Δx

= lim (Δx→0) (2 + Δx)

= 2

よって、関数f(x) = x^2 – 2x + 1において、x=2における微分係数はf'(2) = 2となります。

例題2: 関数f(x) = 3x^2 – 4x + 1の導関数を求めてください。

解答2: 微分係数の式を適用すると、以下のようになります。

f'(x) = lim (Δx→0) [f(x + Δx) – f(x)] / Δx

= lim (Δx→0) [3(x + Δx)^2 – 4(x + Δx) + 1 – (3x^2 – 4x + 1)] / Δx

= lim (Δx→0) [3(x^2 + 2xΔx + Δx^2) – 4x – 4Δx + 1 – 3x^2 + 4x – 1] / Δx

= lim (Δx→0) [6xΔx + 3Δx^2 – 4Δx] / Δx

= lim (Δx→0) [6x + 3Δx – 4]

= 6x – 4

よって、関数f(x) = 3x^2 – 4x + 1の導関数はf'(x) = 6x – 4となります。